2011年4月16日土曜日

Just Listening: 恋の日付変更線(渡辺満里奈)

力強いドラム、ベースに印象的な旋律のオープニング。打ち込みの音が80年代らしいといえばらしいのだが、10代のきらめきが散りばめられた曲だと今にしても思う。

♪見えない優しさ キミから感じる

夢と希望の旅立ち。収録アルバムの最後を飾るこの曲はひとつの時代の節目、すなわちおニャン子クラブ解散を受けてこれからどうする、という流れで発表されたというものだ。エピックソニーからレコードを発表していた渡辺満里奈はこのアルバムで等身大の、10代の心の揺れや夢を歌った。線の細さを感じたデビューからほぼ1年後。音程はともかく、独特の声に野太さがすわってきた。アーティスト然とするのではなく、音作りに凝るスタッフの中で伸びやかに歌う姿に好感が持てる。

ともかくこんなことをつらつら書き並べても陳腐なだけだ。学生生活の自由な雰囲気で、不安と夢が交錯する感覚がいま聴いても蘇ってくる。収録されたアルバムのタイトルが『EVERGREEN』。

♪若葉のころを通り過ぎても こころはEVERGREEN

まさに時がたってもグッとくるのである。

************************

「恋の日付変更線」
作詞:沢ちひろ 作曲・編曲:山川恵津子
アルバム『EVERGREEN』(1987年9月2日発売)収録。

0 件のコメント: